工場の仕事を考えた時に、意外と「製造業はやめとけ」という声があります。
確かに工場の仕事は肉体労働ですし「3K」な職場でもあるので、そういったところが「やめとけ」に繋がるのも分かる気はします。
しかし「製造業」といっても工場の仕事だけではありませんし、実は思ったよりも稼げる業界でもあります。
工場で10年働く身として、そして過去にメーカーの営業として働いていた身として、本当に「製造業はやめとけ」なのかを詳しく説明していきます。
【製造業への転職を考えたら要チェック!】
様々な転職サイト、転職エージェントがある中で選ぶ基準は下記の2つ。
- サポート体制の充実さ
- 専門エージェント
その上で今回の最適解は下記の3つです。
目次
「製造業=工場現場」だけではない

「製造業はやめとけ」といっている人の多くは工場の現場のことを語っています。
よくある理由としては以下のものが挙げられます。
肉体労働、ライン作業が苦痛、夜勤が辛い、怪我の心配、やりがいを感じない、人間関係、将来性(スキルが身につかないなど)
もちろん工場の現場も製造業なので間違いではないし、実際に上記のことがネックで「やめとけ」という声が出ることも事実です。
しかし工場はそれ一つで企業として成り立っているわけではありません。工場の現場仕事の他に
営業、営業事務、総務、人事、経理、生産管理、品質管理、設計、設備、社内SE、etc
などなど、様々な職種があって「製造業」として成り立っています。
小規模な工場だと細かく職種が分かれてはいないこともありますが、「工場で製品を生産すること」だけが製造業というわけではないのです。
前職で某メーカーの営業をした経験からいうと、
製造業でも伸びている企業、将来性のある企業など、何らかの強みを持っているところは「やめとけ」に該当するとは限りません。
私の前職はその業界では誰もが知っている「ド定番」の製品を扱う強みがありましが、業界全体としては徐々に右肩下がりでもありました。
コロナ前までは苦戦を強いられていたようですが、コロナ期に思わぬ需要があり徐々に復調してきているようです。
コロナという特殊な状況が生んだ結果とはいえ、元々製品の質は高いので復調するのも頷ける話です。
その製品は無くなることが想像できないほどのド定番品なので、企業としての地力は実に強いものです。
もし工場の現場以外で製造業を狙うのであれば、
- 業界である程度の地位を確立している
- 今後伸びて行く企業
- 何らかの強みを持っている(製品、技術力、etc)
を選ぶべきです。
もちろん社内の雰囲気や給与なども大切ですが、大元の「企業としての地力」が無いと働きやすい職場でもいずれ企業としての限界がくる可能性はあります。
業界や企業研究はもちろんですが、自分でやるのに限界があるときは素直に転職エージェントを利用してサポートを受けるのがスムーズですし次が決まるのも早いです。

でも工場の現場が肌に合ったので製造業自体は悪くないと感じています。
「製造業」自体は無くならない

物を作る仕事が無くなると日本の経済は落ち込みます。
日本のGDPの2割は製造業で、これが無くなることを想像する方が難しいです。
製造業は2020年の時点で我が国の2割を占め、依然として我が国を支える中心的な業種のひとつとしての役割を果たしている。
もしかしたら製造業に取って代わる産業が伸びて必要性は低くなるかもしれませんが、それでも無くなることは非常に考えづらいです。
なぜなら、工場で製品を製造する仕事がAIや機械化で求人が減ったとしても、製造業としての仕事は他にもあります。
営業として他に販路を拡大したり大きな仕事を締結することも大切な仕事です。
画期的な製品の企画・開発も非常に重要です。
事務作業で社内をサポートすることも重要です。
社内の管理システムで様々な仕事をスムーズに進めることも必要です。
このように、工場の現場仕事の需要が少なくなったとしても製造業の仕事自体が無くなるわけではありません。
工場の仕事はAIに取って代わるか?
そのうち代わる未来が来ることは想像できますが、近い将来に全て代わるとは考えづらいです。
私は実際に工場の現場で働いているからこそ感じますが、人が作業しなければいけない仕事はまだまだあります。
AIや技術の進歩によって徐々に取って代わることは予想されますが、微妙な細い作業や「いい塩梅」の仕事というのは案外人の手や目の必要性を感じます。
工場の作業を全て機械化して人件費を削減するにも、それだけの設備投資にはかなりの経費がかかります。
この手の話になると「工場の仕事はいずれ無くなる」ということはよく言われますが、それがいつになるかは誰にも分からないのです。
もし本当にその世界が来るとしたら、10年、20年ではきかない程の時間がかかるでしょう。
また、「製造業」という枠で考えれば工場の現場での仕事が無くなったとしても、機械やAIなどの保守、点検などは人がやることには変わりません。
「ものをつくる」企業で「ものをつくる以外の仕事」は依然として存在し続けます。
そういう意味では「製造業」はある意味未来があると言っても良いです。
そもそも日本で何も作らなくなるということが考えられません。
確かに海外の工場で大量生産された製品はコストも人件費も抑えられるという事実はありますが、日本の技術力は世界でもトップレベルです。
これを利用しない方が経済的な損失になります。
ただし、いつどうにかなってもいいように自分を高めるという意識も大切なことです。
終身雇用が崩壊している昨今、いつ業績が落ちてリストラが行われるかは誰にもわかりません。
常に先を見据えて資格を取るなり新しい知識を得ていれば最悪の事態は免れます。
そうでなかったとしても今の仕事で役に立つものが身につけば自身の評価につながるので、自分を高めることに何ら無駄なことはありません。
製造業はやめとけの理由
工場の現場の声として「やめとけ」

こちらで詳しく解説していますが、要約すると以下のようになります。
- 工場の環境に馴染めない人
- 単純作業が苦手な人
- 黙々と仕事をするのが苦手な人
- 自分勝手な人
- 人と関わるのが好きな人
- 体力の無い人
- コミュニケーションが苦手な人
- 人間関係が煩わしい人
- 不器用な人
これらは工場の現場で働くことを前提とした意見です。
特に
- 工場の環境に馴染めない人
- 単純作業が苦手な人
- 黙々と仕事をするのが苦手な人
に当てはまる人は向いていない可能性は高いので「やめとけ」が非常に当てはまるでしょう。
工場の現場以外の仕事でも「製造業はやめとけ」なのか?
製造業の工場以外の職種で働く上では
- 工場の環境に馴染めない人
- 単純作業が苦手な人
は特に当てはまりません。
それ以外の意見は工場の現場以外でも関わることなので、どれか不得意だとしても他が得意であれば何とかなることもあります。
例えば営業に自信のある人ならどんな業界でもある程度は上手くやっていけるでしょう。
他の職種であっても自分の身につけた仕事のスキルがあれば上手くやれる可能性は十分にあります。
その企業が何らかの「強み」を持っているのであれば「やめとけ」よりもむしろ就業先としては良いところです。
製造業をやめなくてもいい理由
工場の仕事としての「やめなくてもいい」理由

工場の現場で働く人が辞めなくてもいい理由もこちらで解説していますが、要約すると以下の通りです。
- 黙々と仕事に取り組める
- 責任感のある人
- 器用な人
- 人付き合いが苦手な人
- コミュニケーションが上手く取れる人
- 細かいことに気づく人
- 体力のある人
- 精神的に強い人
- 目標がある人
- 物作りが好きな人
- 規則を守れる人
個人的には上記の2つ以上が当てはまる人なら「やめとけ」どころか工場で働くのは合っていると思います。
工場の現場で働く場合、基本給に加えて
- 残業代
- 夜勤
- 資格手当
などが付くところもあるので、そういう職場だとはっきり言って稼げます。
ところで工場の仕事といえばライン作業などが頭に浮かぶ人もいると思いますが、単純作業だからこそできる人もいます。
変な話ですが、仕事をする人がみんな常にやる気で満ちているというわけでも無いので
- 特に向上心はあまりない
- 仕事に多くを望んでいるわけではない
- 特別なスキルがあるわけではない
- とりあえず安定を望んでいる
という人は下手に転職活動をするとなかなか決まらなかったり、決まっても条件がさらに悪くなることもあります。
目の前の「できる仕事」を粛々とこなし、忙しくてもそれなりに稼げる状況を守るというのも一つの考え方です。
工場はそれなりに稼げる仕事でもあるので、敢えてやめない方がいい時もあります。
工場の現場以外の職種で製造業で働く場合は?
営業や事務職であれば、製造業どころか他の業種でも需要があるので、製造業を選択肢に入れることは何の問題もありません。
技術職であれば自分のスキルが活かせるジャンルの製造業を選びましょう。
あとは前述した通り、その企業や業界をよく研究してください。
調べるべきは
- その企業や業界に未来や強みはあるか
- 待遇や条件等
の2つが一番重要です。
営業や事務職、技術職であっても「自分のスキル」を活かせるのが一番です。
製造業は意外と稼げる業界でもある

製造業は全産業の平均年収よりも上の年収があるというデータがあります。
製造業全体ではどれくらい稼げるのかは国税庁が発表しているデータがあるので見てみましょう。
平均給料・手当 | 平均賞与 | 平均給与 | |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 609 | 157 | 766 |
金融業・保険業 | 523 | 154 | 677 |
情報通信業 | 507 | 116 | 624 |
建設業 | 439 | 72 | 511 |
学術研究・専門・技術サービス業 教育、学習支援業 | 430 | 91 | 521 |
製造業 | 421 | 95 | 516 |
複合サービス事業 | 391 | 103 | 494 |
不動産業・物品賃貸業 | 387 | 45 | 426 |
運輸業・郵便業 | 376 | 49 | 425 |
医療・福祉 | 353 | 54 | 407 |
卸売業・小売業 | 326 | 51 | 377 |
サービス業 | 325 | 43 | 369 |
農林水産・鉱業 | 274 | 37 | 310 |
宿泊業・飲食サービス業 | 275 | 15 | 260 |
全体平均 | 377 | 67 | 443 |
製造業の平均年収は全産業中6位となっています。
特別良いわけではないが悪いわけでもない、という印象の方が多いのではないでしょうか。
また、「思ったより多い」と思った方もいると思います。
特筆すべきは全体平均よりも73万円も多いという事実。
上記のデータは工場勤務や他の職種も含めての平均なので、これより上の年収もあるし、当然これより下の年収もあります。
それでも「全体の平均より上の年収である」という事実は覆りませんので、製造業が意外と稼げる証明でもあります。
製造業で稼げていない人は副業がオススメ
夜勤や残業が無い、基本定時上がりで思ったほど稼げない工場なら副業をオススメします。
副業禁止の職場の場合、休日にコンビニ等で働いてしまうとバレてしまうのでその他の副業をする必要があります。
副業がOKという企業なら問題ないですが、副業禁止であれば大きく稼いだ時は確定申告時に「自分で納付」に○をすればバレることはほぼあり得ません。
その場合、副業をするのであれば
- せどり
- ブログアフィリエイト
- 動画編集
- ウェブライター
といった、個人で完結できる副業が主なものになります。
稼げるようになるまでそれなりにコツや時間がかかることもありますが、月に1万円くらい稼げるようになったらそれだけで生活自体も変わっていきます。
もし製造業で思ったより稼げないとしても、企業に属して給料をもらいつつ副業収入を得ることで収入を上げることは可能です。
簡単な稼ぎ方として、まずはメルカリ等で不用品を出品してみましょう。
給料以外に収入を得る方法を体験した時、あなたはきっと目からウロコが落ちる感覚を味わうはずです。
投資で資産形成することも意外と重要
少ない額でも早いうちから投資を始めればそれだけ資産が増加するのも早いです。
貯金も大切ですが、投資によって「資産を増やす」のも将来のためにやっておくべきだと考えています。
今の日本はNISAやiDeCoというシステムがあるので利用しない手はありません。
「投資とかよく分からないし」と思わずにちょっと調べると、Twitterやインスタグラムでも情報を発信している人はかなりいます。
短期で大金を稼ぎだすギャンブル性の高い投資ではなく、長期投資でじわじわと資産形成すると損をする確率は減ります。
よく言われる人気の投資先は
- eMAXIS Slim 米国株(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株(オールカントリー)
- 楽天・全米株式インデックスファンド
が多いですね。実際に投資している人が多いということはそれだけ実績があるということでもあります。
私も実際につみたてNISAを始めてみたら銀行預金より利率が高いし実際にジワジワと資産は増えているので、効果を体感している真っ最中です。
「給料低いなぁ」とぼやくだけではお金は増えません。
試しにネット証券で口座を開き、1,000円くらいをつみたてNISAで始めてみるのも良いでしょう。(iDeCoは5,000円からです)
上記の投資先のどれかに1年くらい投資してみてください。
銀行に預けるだけではお金が増えない、投資の重要性が分かるはずです。
投資初心者向けに最適な本です。私も読みましたがそんなに難しくないのオススメです。
「製造業はやめとけ」は本当か?のまとめ
- 製造業とは工場勤務だけを指すわけではない
- 製造業は無くならない
工場の仕事の需要が減っても製造業の他の職種は無くならない
AIが工場の仕事に取って代わるのがいつになるかは誰も分からない
いつ何が合っても良いように自分を高めるのも重要 - 製造業はやめとけの理由は
工場の仕事が合わない人はやめた方がいい
工場の現場以外はそんなこともない
製造業としての強みや将来性がある場合は「やめとけ」ではない - 製造業をやめなくてもいい理由は
残業代、夜勤、資格手当等で結構稼げる
できる仕事を粛々とこなして稼ぎを守るのも一つの考え方
工場以外の職種は需要があるので強みのある企業を目指す - 製造業の産業別平均年収は全産業の中で6位、全体平均よりも高い
あまり忙しくなく稼げない工場なら副業がオススメ
少額からでも早くから長期投資で資産を増やすことも意外と重要
というわけで「製造業はやめとけ」は本当なのか、元メーカー営業と現役工場勤務の立場から説明していきました。
「製造業=工場勤務」ではないので必ずしも製造業はやめた方がいいということもありません。
結局のところ重要なのは
- 企業としての強みや将来性
- 仕事は自分に合っているか
この2つです。
工場の仕事がAIに取って代わるのもまだまだ先の話だと思われるで、私はそれほど心配しなくても良いと考えています。
たとえ工場の仕事が少なくなっても、エンジニア職や営業や事務関連の仕事は必要なので製造業が無くなることはありません。
何かを製造してそれが世の中に広がる、役に立つ仕事というのは、おそらくあなたが思っている以上にやりがいのある仕事です。
それは実際に工場で製造の仕事をしていなくても企業の実績として現れたら実感できると思います。
もし転職を考えており、製造業を視野に入れているのであればその選択は間違いではありません。
その上で将来性や強みを持った企業の選択を間違わないためにも転職エージェントを利用がベストです。
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