- 工場を辞める7つの理由
- 工場は辞める人が多い業界である
- 工場を辞めると決めたらやること
結論から言うと、工場というのは辞める人の方が多い業界です。
これは政府のデータで証明されているので覆りようのない事実です。
辞める理由というのは様々ですが大抵の場合は7つの理由に大別され、理由を知れば「まぁ、そうだよね」と頷けるものばかりです。
私のように工場の仕事が合っているなら良いのですが、日々「この仕事向いてないなぁ・・・」と思っているなら外に目を向けた方が良いです。
ここでは工場を辞める主な理由、政府が発表している実際のデータ、そして辞めると決めたらやることを解説します。
工場勤務の人も、そうでない人も、是非あなたの今後の人生の参考にしてください。
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【この記事を書いた人】
サトシ
販売→営業→倉庫と渡り歩き金属加工工場に転職して10年目。
組合の執行役員も担当し工場の現場と会社の内部事情も熟知。
工場を辞める7つの理由
単純作業でやりがいを感じられなくて辞める
- 仕事が退屈
- やりがいがない
- スキルが身につかない
同じ製品を何度も組み立てる、同じラインで同じ工程を何度も繰り返すといったことが日常的なので、環境では仕事が退屈に感じられることが少なくありません。
日々同じことを続けることで、新しい刺激や挑戦が少なくなり、仕事に対するモチベーションが低下することがあります。
単純作業はやりがいも感じにくく、自分の仕事がどのように会社や社会に貢献しているのかを実感することが難しいことがあります。
製品の一部を担当するだけでは自分の仕事の全体像や成果が見えにくいため、達成感や充実感を感じにくいのです。
同じ作業を繰り返すだけでは新しい知識や技術を学ぶ機会が限られ、工場の単純作業は魅力に欠けることがあります。
新しいスキルを身につけたりキャリアを積極的に発展させる機会が少ないと将来への不安や不満が募り、結果として辞める決断に至ることが多いのです。
人間関係が悪くて辞める
- コミュニケーション不足
- パワハラ上司
- 陰湿な同僚
- 精神論・根性論が横行
工場では効率的な生産が求められるためコミュニケーションが疎かになりがちで、必要最低限の情報しか共有されず意見交換やフィードバックの機会が少ないことがあります。
これらは誤解やミスが発生しやすくなり働く人々の連帯感が育まれず、孤立感を感じることが多くなります。
上司や先輩からの過度な叱責や無理な要求は心理的なストレスを増大させ、プレッシャーが高まる中でパワハラが発生しやすくなります。
これにより職場の雰囲気が悪化して安心して働ける環境が失われるのです。
特定の従業員を無視したり陰口を叩いたりすることが日常化している場合、その被害者は精神的に追い詰められます。
このような陰湿な行動はチームワークを阻害し、職場全体の士気を低下させます。
成果を出すためにはある程度の根性や精神力が必要ですが、その考え方が強い職場では従業員が過度に負担を感じることがあります。
無理な残業や休みなく働くことを強要されると体力的にも精神的にも限界を迎えることになり、結果的に辞めざるを得ない状況に陥ることになります。
体力的にきつくて辞める
- 立ち仕事がキツい
- 重量物を扱う
- 環境的にキツい（暑い、寒い、騒音など）
- 怪我のリスクがある
工場の多くの作業は立ち仕事であり長時間同じ姿勢で作業を続けることが求められます。
単純作業とはいえ足や腰に負担がかかり、慢性的な疲労や痛みを感じることがあるので少なくありません。
重い材料や製品を持ち上げたり運んだりする作業は筋力や体力を必要とします。
これらの作業を繰り返すことで筋肉痛や関節痛、慢性的な腰痛に悩まされたり深刻なケガに繋がることもあります。
工場内は季節によって非常に暑くなったり寒くなることもありますし、機械の稼働音や作業音が常に響く騒音環境もストレスとなります。
これらの環境要因は肉体的だけでなく精神的な疲労も引き起こしやすくなります。
工具や機械を使用する作業では小さなミスが大きなケガに繋がる可能性があります。
安全に気を使っていても疲労が溜まっていると、思わぬミスからちょっとした怪我から重大な怪我まで起こす可能性もあります。
交替勤務がきつくて辞める
- 体調管理の難しさ
- 体内時計が狂う
- 友人、家族と時間が合わない
昼夜交替のシフトは体が十分に休息できる時間が確保しにくく、慢性的な疲労感に悩まされることが多いです。
夜勤明けに寝ても日中の騒音や明るさが妨げとなり、質の良い睡眠をとることが難しいことがあります。
人間の体は日中活動して夜間に休息をとるリズムに合わせて進化してきました。
交替勤務ではこの自然なリズムが崩れ、睡眠障害や消化器系の問題、さらには長期的な健康リスクが増加します。
通常の勤務時間帯とは異なるため、週末や夜間のイベントに参加することが難しいこともあります。
家族との団欒や友人との交流が減るので、家庭内の行事や子供の成長に関わる機会の減少や友人付き合いの減少などの影響を及ぼすこともあります。
人手不足で仕事がきつくて辞める
- 1人の負担が大きくなる
- 残業が増える
- 過労による雰囲気の悪化
工場の生産ラインでは一つの工程が遅れると全体に影響が及ぶため、限られた人数で効率的に仕事を進める必要があります。
ところが必要な人数が確保されていない場合、従業員は複数の業務を掛け持ちしなければならず、身体的・精神的に大きな負担がかかります。
定時内に終わらない業務をこなすため、日常的に残業を強いられることになります。
長時間労働が続くと慢性的に疲労が蓄積していき健康に悪影響を及ぼすだけでなく、プライベートの時間が削られ精神的な負担も増していきます。
過労状態ではイライラしやすくなり些細なことで衝突が起こりやすくなるため、職場の人間関係が悪化することも少なくありません
そこから従業員同士のコミュニケーションが減り、協力体制が崩れることもあります。
将来性を感じられなくて辞める
- 業界の業績悪化の恐れ
- 自動化や技術革新による仕事の減少
経済の変動や市場の需要変化により、特定の製造業界が不振に陥ることがあります。
従業員の給与やボーナスにも影響が懸念され、業績悪化が続くとリストラや工場閉鎖のリスクも高まり将来に対する不安が増大します。
ロボットやAIの導入により人手を必要とする作業が減少し、一部の従業員は仕事を失う可能性があります。
自動化の進展に伴い単純作業の需要が減り、高度な技術や知識を持つ従業員のみが求められる可能性もあります。
これはスキルの向上が難しい従業員にとって将来的なキャリアの展望が見えにくくなります。
給料が安くて辞める
- 単純に給料が低い
- 残業、夜勤が無いと給料が低い
- 昇進や昇給の機会が少ない
- 給与体系が不透明
製造業全体で見れば給与が極端に低いわけではありませんが基本給が低い工場も多く、その不満が辞職の大きな要因となります。
日常的な生活費や家族を養うためには十分とは言えない給与水準であるため、他の業界や職種に魅力を感じてしまうことが多いのです。
基本給が低いため残業や夜勤手当で補わなければ生活が成り立たない状況にある従業員が多くいます。
しかし、体力的な負担やプライベートの時間が犠牲になるため、長期的には続けることが難しくなります。
キャリアアップの道が見えにくく長期間働いても給与がほとんど上がらない職場では、将来に希望を見出すことが難しいです。
特に、若い世代の従業員にとっては自分の努力が評価されず、給与に反映されない環境は不満を募らせる原因となります。
給与の決定基準が明確でない場合、どれだけ努力しても報われないという感覚に陥りやすくなります。
評価基準が不明確であれば従業員は自分の努力が正当に評価されていないと感じ、不公平感を抱くことが多くなります。
工場は辞める人が多い?どれくらいで辞める？
厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査」によると、製造業では辞める人が多い結果が出ています。
【令和4年】
- 入職者：739,000人
- 離職者：788,000人
【令和3年】
- 入職者：664,800人
- 離職者：786,100人
「製造業」という枠の中では工場の現場職だけでなく、事務職から営業まで様々な仕事があるので工場だけのデータではありませんが、それでも辞める人が多い業界といえます。
そして令和3年より令和4年は製造業の離職者が減っているとはいえ、「入職者＜離職者」という傾向は変わりません。
つまり、もしあなたが「工場を辞めよう」と思っても特に珍しいことではないともいえます。
ちなみにこの調査によると離職者の少ない業界は以下になります。
- 鉱業、採石業、砂利採取業
- 情報通信業
- 不動産業、物品賃貸業
- 学術研究、専門・技術サービス業
- 宿泊業、飲食サービス業
- 生活関連サービス業、娯楽業
- サービス業（他に分類されないもの）
もしあなたが工場を辞めて別の業界で働きたいと転職を志したら、動向調査のデータから離職率の低い業界を視野に入れるという考え方もできます。
平均勤続年数はどれくらい？
厚生労働省が発表した「令和4年版 労働経済の分析」によると男性：15.7年、女性：11.5年という結果が出ています。
1990年代までは緩やかな上昇傾向が続いていたが、2000年代は男女ともにやや低下した後、2010年代以降は横ばい傾向となっている。
と書いてあるように、2020年から過去10年の平均勤続年数を計算したところ
- 男性：15.1年
- 女性：11.5年
という結果が出ました。
しかし、上記の表を参考にすれば製造業は他の業界よりも平均勤続年数は高い業界です。
もしかしたら製造業の中でも事務職や営業職など、工場の現場職以外は長く続けられるのかもしれません。
それでも工場を辞める人が多いとすれば、やはり「工場を辞める7つの理由」で挙げたことをきっかけに辞める人が多いということでしょう。
私のように工場の仕事が合う人もいると思いますが、体力的にも仕事内容的にも向いていない人がいるのも事実。
無理して工場の仕事を続けて毎日辛い思いをするよりは、思い切ってもっと自分に合う仕事へ転職する方があなた自身が救われることもあります。
工場を辞めると決めたらやることは？
転職エージェントに登録
転職エージェントに登録して転職の準備を整えましょう。
「工場を辞めてから失業保険を貰いながらのんびりと転職活動でもしよう」と思っている方もいるかもしれませんが、在職中から転職活動を始める方が絶対に良いです。
未だ不況から抜け出さない日本なので、次が決まらないと徐々に焦ってくるしお金は無くなるしで精神的な負担もどんどん増えていきます。
求人サイトで自分に合った求人を探すのも悪くないのですが、1人で転職活動を進めるのは結構しんどいものです。
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- 面接対策
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といったことをサポートしてくれるので、二人三脚で転職活動を進められます。
特に転職を迷っている段階でも相談することで今後の方向性が見えてきます。
- このまま工場で働いてみる
- 自分に合った仕事が見つかる
- まだ転職しなくても大丈夫そう
- やはり早く転職したい
などなど、基本的に転職エージェントの利用は無料なので、迷っている人こそ転職エージェントを利用するべきです。
まずは相談からでもOKなので相談の予約をすることをオススメします。
辞める旨を告げる
辞める際は普通に上司に退職の旨を伝えるのが一般的です。
もし誰か仲の良い同僚を経由して伝えたら変にこじれる可能性があるので、緊張するかもしれませんが自分から伝えましょう。
退職の理由は普通に「一身上の都合」で良いです。
あれこれ根掘り葉掘り聞いてくる上司がいるかもしれませんが、そこはプライベートなので明確に答える必要はありません。
どうせ辞めるのですから多少強く出ても問題ありません。それで何か言われるようであれば、最悪の場合は労基署に連絡を入れましょう。
何だったら嘘の理由を用意しても構いません。（地元に帰るなど）
嘘の退職理由がバレて大問題になることはよっぽどのことがない限りありませんし、辞めた人の動向をいちいちチェックするほど会社は暇ではありません。
バックれは絶対ダメ！
あなたの経歴に傷がつくのでバックれだけは絶対にやめてください！
バックれると「懲戒解雇」扱いになり退職金が出ません。
それだけならまだしも、損害賠償の請求をされる恐れもありますし、下手に心配をかけたことで捜索願いを出される可能性もあります。
何より次の仕事をしようと思っても離職票や退職証明書には「重積解雇」と記載されているので、大変不利な状況で転職活動をしなければなりません。
仮にあなたが経営者であった場合、会社をバックれた人を雇いたいかと問われたら答えは「NO」だと思います。
例え工場で働く現状が辛くても、バックれて逃げることだけは絶対にやめましょう。
辞めづらい人は退職代行を利用しましょう
もし辞めづらい、言い出しづらい状況にあるのであれば、退職代行を利用しましょう。
上司が怖くて言いづらい、仕事が忙しいから切り出しづらい、引き止められている、という人もいるでしょう。
でも仕事を辞めること自体は何ら悪いことではありませんし、あなたに当然に与えられた権利でもあります。
そもそも会社とは「雇用契約」を結んだのであって、「奴隷契約」を結んだわけではありません。
だから辞める時は普通に辞められるのですが、何かと言い出しづらい状況にある時は退職代行を利用しましょう。
退職代行の利用料を支払えばあなたは自由の身になれます。
退職代行が会社への連絡も請け負ってくれますし、あなたは会社へ行く必要すらありません。
すでに「病みそう」「もう耐えられない」と感じている人なら是非積極的に利用してください。人間は壊れてからでは遅いのです。
退職代行を利用することで「角が立つかも・・・」と考える必要はありません。
もう辞める職場のことなど気にしないで新しい人生を始めましょう。
工場を辞める人が多い理由のまとめ
- 工場を辞める7つの理由は
単純作業にやりがいを感じない
人間関係が悪い
体力的にきつい
交替勤務がきつい
人手不足がきつい
将来性を感じられない
給料が安い - 工場（製造業）は辞める人が多い業界である
平均勤続年数は他の業界より長いという結果もある - 工場を辞める決めたら、
・転職エージェントに登録
・辞める時は「一身上の都合」でOK
・バックれるのは経歴に傷がつくから絶対ダメ
・辞めづらい人は退職代行を利用する
というわけで工場を辞める人が多い理由〜辞めると決めたらやるべきことを解説していきました。
今現在、工場で働いている人も、これから工場で働こうかなと思っている人にも刺さる内容だったはずです。
理由は人それぞれですが、もし「辞めよう」と決めた場合、遠慮なく辞めてしまいましょう。辞めることであなたに罰は与えられませんよ。
ただし、辞める前にやれる準備だけは怠らず、次の仕事が決まってから辞められるようにするのがポイントです。
勢いで辞めても次の仕事が見つからなくて路頭に迷いそう、なんてことはザラにあるので要注意です。
そうならないためにも、まずはリクルートエージェントで相談しましょう。登録は3分で終わりますよ。
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